「わかった」と言うけれど、本当にわかってる?
「この問題わかった?」と聞くと、子どもは元気よく「わかった!」と答える。でも数日後、同じような問題を見せると「えーっと…」と固まってしまう。
こんな場面、きっと多くの保護者の方が経験されているのではないでしょうか。宿題を一緒にやっているとき、テスト前の復習をしているとき、「本当にわかってるのかな?」という疑問が頭をよぎることがあると思います。
ただ、子どもたちが嘘をついているわけではないんです。
子どもが「理解したフリ」をしてしまう理由
塾で長年子どもたちを見ていると、彼らなりの事情が見えてきます。
**「早く終わらせたい」気持ち**
勉強よりもゲームや友達と遊ぶ時間が欲しい。「わからない」と言えば説明が長くなることを、子どもたちは本能的に知っています。
**「がっかりさせたくない」優しさ**
一生懸命教えてくれる親に「わからない」と言うのは申し訳ない。そんな気持ちから、つい「わかった」と言ってしまうこともあります。
**「なんとなく」の感覚**
その瞬間は確かに「なんとなくわかったような気がする」のも事実。でも、それは本当の理解とは違うんですね。
理解するって、実はとても複雑な作業なんです。
「わかったつもり」の典型パターン
現場でよく見る「あるある」をご紹介しましょう。
**パターン1:計算はできるけど文章題でつまずく**
「2×3=6」はスラスラできるのに、「りんごが2個ずつ入った袋が3袋あります。りんごは全部で何個でしょう?」になると手が止まる。計算方法は覚えたけれど、どんなときに使うのかがわかっていないんです。
**パターン2:説明を聞いているときは納得顔**
こちらが説明している間は「うんうん」とうなずいて、いかにも理解している様子。でも「じゃあ次の問題をやってみて」と言うと、「えーっと、最初の式は何だったっけ?」となってしまう。
子どもの頭の中では、「聞く」と「理解する」が別々の作業になっているんですね。
理解したフリを見抜く3つの質問
「本当にわかった?」と聞き直しても、答えは変わりません。代わりに、こんな質問をしてみてください。
**1. 「今やった問題、弟(妹)に教えるとしたらどう説明する?」**
人に説明するには、自分が本当に理解している必要があります。「えーっと」が多いときは、まだ消化不良のサインです。
**2. 「なぜその答えになったの?」**
答えが合っていても、理解していないことはよくあります。「なんとなく」「勘で」という答えが出たら、もう一度丁寧に確認してみましょう。
**3. 「似たような問題を作れる?」**
これが一番確実です。理解していれば、数字を変えた問題やちょっと違うパターンを作ることができるはずです。
本当の理解は、応用がきくかどうかで判断できます。
「わからない」と言いやすい環境づくり
理解したフリを防ぐには、子どもが素直に「わからない」と言える雰囲気を作ることが大切です。
**「わからない」を褒める**
「わからないって気づけるのはすごいことだよ」と声をかけてみてください。自分の理解度を客観視できるのは、実は高度な能力なんです。
**小さな「わかった」を積み重ねる**
一度に大きな単元を理解させようとせず、小さなステップに分けて進める。「ここまではOK?」「この部分はどう?」と、こまめに確認しながら進めていきます。
**時間に余裕を持つ**
「早くやりなさい」というプレッシャーがあると、子どもはつい理解を飛ばしてしまいます。ゆっくり時間をかけて、丁寧に理解を深める時間を作ってあげてください。
急がば回れ、という言葉があるように、じっくり理解したものほど応用がききます。
理解の深さは時間をかけて育つもの
私たち大人でも、新しいスマホの機能や料理のレシピを「わかった」と思った直後に、実際にやってみると「あれ?」となることがありますよね。
子どもたちも同じです。「わかった」から「できる」まで、そして「できる」から「応用できる」まで、それぞれに時間が必要なんです。
焦らず、子どもなりのペースを大切にしながら、本当の理解を一緒に育んでいけたらいいですね。
学習塾では、子ども一人ひとりの理解度を細かく確認しながら、「わかったつもり」を「本当にわかった」に変えていくお手伝いをしています。